結論:違いは「見積書・請求書」「複数ユーザー」「支払い方法」の3つ
Amazonビジネスと個人アカウントの違いは、見積書・請求書の出し方、複数ユーザーでの管理、支払い方法の3つです。個人事業主でも、書類1点で登録できます。
登録は無料です。個人アカウントはそのまま残せて、2つを切り替えて使えます。ただし、個人アカウントを移行すると個人情報が管理者に見えるなど、先に知っておきたい注意点もあります。以下、公式ヘルプの内容をもとに整理します。
Amazonビジネスとは|個人事業主でも登録できるか
Amazonビジネスは、法人・個人事業主向けの購買サービスです。通常のAmazonが個人の買い物を想定しているのに対し、事業での購入を前提に、見積書の発行、複数人での利用管理、請求書払いなどの機能が加わります。
個人事業主も登録できます。「法人でなければ使えない」と誤解して見送っている人もいますが、対象です。登録時は、確認書類のコピーをいずれか1点提出します。公式ヘルプに挙がっている書類の一部は次のとおりです。
- 開業届出書
- 過去2年以内の確定申告書B
- 過去2年以内の収支内訳書
- 過去2年以内の所得税青色申告決算書
- 適格請求書発行事業者の登録通知書
- 個人事業税の領収証書
税務署などに提出した真正な書類をアップロードします。e-Taxで提出した場合は、受付日時と受付番号が表示されている必要があります。表示がなければ、受領通知を含めてください。マイナンバーは隠します。事業収入などの個人情報は隠して構いません。
登録時の住所と書類上の住所が一致しない場合は、「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を提出します。開業届がなくても登録できる書類の選び方は、開業届なしでAmazonビジネスに登録する方法で解説しています。法人で登録する場合は、法人アカウントの作り方を参照してください。
個人アカウントとAmazonビジネスの違いを比較表で確認
比較の軸は、価格表示・見積書と請求書・複数ユーザー管理・支払い方法・購買履歴の5点です。
| 比較項目 | 個人アカウント | Amazonビジネス |
|---|---|---|
| 価格表示 | 通常の商品価格 | 商品によっては、数量に応じた価格が表示される場合がある |
| 見積書・請求書 | 注文履歴から領収書・明細を都度ダウンロード | 参考見積書と見積書(PDF)をダウンロードできる。複数の注文をまとめて取得する操作もある |
| 複数ユーザー管理 | 基本的に1アカウント1人 | メールで招待し、役割を選べる。グループで支払い方法・配送先を分けられる |
| 支払い方法 | クレジットカード、代金引換など | クレジットカード、銀行振込に加え、審査を通れば請求書払い |
| 購買履歴 | 個人単位の注文履歴 | 「購買データ」で組織単位の注文履歴データを確認できる |
仕様や金額は変更される場合があります。
価格表示の違い
個人アカウントの商品ページには、通常の消費者向け価格が表示されます。Amazonビジネスでは、事業者向けに数量に応じた価格が表示される商品があります。
すべての商品が対象ではなく、割引の条件も一律ではありません。価格が変わるかどうかは、商品ページで個別に見るのが確実です。
見積書・請求書の違い
経理処理で差が出やすいのが、見積書まわりです。Amazonビジネスでは、注文時に「参考見積書」または「見積書」をPDFでダウンロードできます。
- 参考見積書: 注文確定の手続き中にダウンロードする。ダウンロード時点の価格で発行され、注文確定時に適用される割引は反映されない。配送料と手数料は記載されない。
- 見積書: 注文確定後にダウンロードする。「購買データ」の「注文履歴データ」から取得する。
どちらも、日本語の題名は「見積書」になります。「選択した注文をまとめてダウンロード」を選ぶと、複数の注文を一括で取得できます。
注意点が3つあります。
- コンビニ、ATM、インターネットバンキング、電子マネーで支払う場合、見積書は使えません。
- デジタル購入には対応していません。
- 見積もりから購入までの間に、価格や在庫が変わる場合があります。
出し方の手順は、Amazonの見積書の出し方に画面順でまとめています。領収書が必要な場合は、Amazonの領収書の出し方を参照してください。
複数ユーザー管理の違い
個人アカウントは、1人での利用が前提です。複数人で使うとIDとパスワードの共有になり、誰が何を注文したかが見えにくくなります。
Amazonビジネスでは、管理者がユーザーを招待します。手順は次のとおりです。
- 「ビジネスアカウントの設定」から「ユーザー」を開く
- 「ユーザーの追加」から「メールで招待する」を選ぶ
- Eメールアドレスと役割を入力する
- 招待メールを送信する
3日たっても返信がなければ、Amazonからリマインダーが送られます。スプレッドシートまたはCSVを使えば、最大1,000人のユーザーの追加、役割の変更、グループへの追加・削除をまとめて行えます。
招待に使うEメールアドレスは、個人アカウントに登録していないビジネス用のものが推奨されています。注文履歴を確実に分けるためです。Eメールアドレスは、一度に1つのビジネスアカウントにしか関連付けられません。
部署・注文内容・プロジェクトごとに「グループ」も作れます。グループには、管理者、購買依頼者、パンチアウト購買依頼者、システム担当者、会計担当者を複数人含められます。グループごとに、支払い方法や住所、配送先住所を個別または共通で設定できます。承認が必要な場合と不要な場合があります。ユーザーが登録されているグループは削除できません。
支払い方法の違い
個人アカウントの支払い方法は、クレジットカードや代金引換など、通常のAmazonと同じです。
Amazonビジネスで選べる主な支払い方法は、クレジットカード、銀行振込、請求書払いです。請求書払いは、一定期間の利用分をまとめて、請求書にもとづき後日支払う方法です。
請求書払いの要点は次のとおりです。
- 招待制で、Amazon側の審査がある
- 法人・個人事業主のどちらも対象
- 審査結果は原則3日以内にメールで届く
- 締め日は5日、10日、15日、20日、25日、末日から選べる
- 支払期限は、公式ページで締め日から30日と案内されている
- 限度額の算定方法は公開されていない
通常の個人アカウントのままでは、請求書払いは選べません。先にAmazonビジネスのアカウントを作り、そのうえで審査を受けます。審査に通らないときの対処や増額申請は、Amazonビジネスの請求書払いで詳しく解説しています。
購買履歴・購買データの違い
個人アカウントで見られるのは、自分の注文履歴だけです。複数人で購入していると、全体の支出を知るには各自の履歴を集める必要があります。
Amazonビジネスには「購買データ」があり、「注文履歴データ」から注文を確認できます。見積書もここから取得します。誰が何を買ったかを一覧で見られるため、経費の確認がしやすくなります。
個人事業主がAmazonビジネスに登録する流れ
流れは次のとおりです。画面構成や入力項目は変わる場合があるため、実際の画面の案内に従ってください。
- Amazonビジネスの公式サイトにアクセスし、登録ページに進む
- 既存のAmazonアカウントを使うか、新規に作成するかを選ぶ
- 事業者情報(屋号、事業内容など)を入力する
- 個人事業主は、確認書類のコピーを1点アップロードする
- 支払い方法など、必要な設定をして登録を完了する
書類は、先に挙げた一覧から手元にあるものを選びます。マイナンバーが載っている書類は、その部分を隠してからアップロードしてください。
登録は無料です。有料なのは、別の年間会員であるBusinessプライムです。公式ページには、年額5,900円からのプランが掲載されています。通常のAmazonプライムとは別の会員で、プライムビデオやプライムミュージックは含まれません。料金は変更される場合があります。
登録前に確認しておきたい注意点
個人アカウントを移行すると、個人情報が管理者に見える
個人アカウントをビジネスアカウントに移行すると、個人情報がビジネスアカウントの管理者に表示されます。自分が管理者のときは問題になりにくいですが、他の人が管理者のアカウントに参加するときは注意が必要です。
メールアドレスは分けるのが無難
個人アカウントとビジネスアカウントに同じEメールアドレスを使うと、自動でリンクされます。別のアドレスを使えば、手動でリンクして2つのアカウントを切り替えられます。ユーザーの招待では、ビジネス用のメールアドレスを分けることが推奨されています。
切り替えは、「アカウントの切り替え」から行います。共有デバイスでは、この機能を使わないことが推奨されています。ビジネス用と個人用の購入を区別するには、専用のAmazonビジネスアプリを使います。
デジタルコンテンツはビジネスアカウントで買わない
ビジネスアカウントでサインインしている間は、個人用のデジタルコンテンツを購入しないでください。他のユーザーと共有や転送ができず、閉鎖するとアクセスできなくなります。Amazon PhotosやAmazon Musicなど、事業以外の目的や出品用アカウントの運営にも、ビジネスアカウントは使わない方針です。
閉鎖すると個人アカウントに戻る
ビジネスアカウントは、いつでも閉鎖できます。閉鎖すると、ビジネスアカウントは無効になり、個人アカウントへ移行されます。紐づくEメールアドレスは、個人の購入に使い続けられます。
ただし、注文履歴の扱いに違いがあります。ユーザーが個別の支払い方法で行った購入の履歴は、それぞれの個人アカウントに移行されます。共通の支払い方法に関連付けられた履歴はすべて削除されます。必要な記録は、閉鎖前に「Amazon購買データ」のレポートで保存しておきましょう。
自分で閉鎖するには、ユーザーが5人以下である必要があります。請求書払いに未払い残高があれば、閉鎖前にすべて決済します。解約まわりはAmazonビジネスの解約方法で整理しています。
請求書払いは使えるとは限らない
請求書払いは審査があるため、登録しても使えない場合があります。審査待ちの間は、クレジットカードなど他の支払い方法で発注できるようにしておくと安心です。
登録したあと、事業用と個人用の買い物をどう分けて記録するか迷う場合に向けて、購入ルール・購入記録台帳・月末チェックリストを空欄を埋めるだけで使える形にまとめたテンプレート集(note・300円)を用意しています。 個人事業主のAmazonビジネス購入管理テンプレ集(note)
事業用として使い始めるとき、請求書や特定商取引法の表示で住所が表に出る場面があります。自宅の住所を使うか迷っている方は、 自宅住所を公開せず開業する方法もあわせてご覧ください。
まとめ
Amazonビジネスと個人アカウントの違いは、見積書・請求書、複数ユーザー管理、支払い方法の3つが中心です。個人事業主も、開業届出書や確定申告書Bなど、書類1点で登録できます。登録は無料です。
個人アカウントは残せます。ただし、移行すると個人情報が管理者に見えるため、ビジネス用のメールアドレスを分けるのが無難です。請求書払いは審査があるので、使えない場合に備えて他の支払い方法も用意しておいてください。
自分に必要か迷う場合は、判定ツールで確かめられます。