結論:5つの軸で比べると、状況ごとに向く先が変わる
個人事業主向けのクラウド会計ソフトは、5つの軸で比べると選びやすくなります。順位はつけません。あなたの状況によって、向く先が変わるからです。
5つの軸は次のとおりです。
- 無料で使える範囲:ずっと無料か、無料期間か、お試しだけか
- 有料になった後の料金と税表示:税抜か税込か、年払いか月払いか
- 電子申告(e-Tax)の使い方:青色申告の65万円控除に関わる
- 銀行・カード連携とスマホアプリ:記帳の手間をどこまで減らせるか
- サポート:電話があるか、何の相談まで受けられるか
この記事では「やよいの白色申告・青色申告 オンライン」「マネーフォワード クラウド確定申告」「freee会計」の3つを扱います。内容は2026年10月17日に確認した各社の公式ページに基づきます。
選び方の基準そのものは、開業時の会計ソフトの選び方で詳しく解説しています。すでに使っているソフトから移る場合は、会計ソフトの乗り換え手順も参考になります。
「無料で使えるか」だけで決めると、翌年に困ることがあります。無料の期間が終わった後の料金と、自分に必要な機能が含まれるかを、先に見ておくと安心です。
3つのソフトを一覧表で比べる(2026年10月時点の公式サイト)
下の表は、2026年10月17日に確認した各公式サイトの記載をまとめたものです。価格の税表示は各社の表記どおりです。弥生は税抜の「+税」表記、マネーフォワードは税抜、freeeは税抜です。
| ソフト | 無料の範囲 | 有料の料金 | 電子申告・青色申告 | 連携・アプリ | サポート |
|---|---|---|---|---|---|
| やよいの白色申告 オンライン | フリープランはずっと無料。ベーシックは1年間無料 | ベーシック:無料期間後 年額11,500円+税。トータル:年額10,500円+税(次年度以降 年額21,000円+税) | 確定申告書の作成・e-Taxに対応(白色申告向け) | 金融機関連携、AI仕訳、スマホアプリ、会計事務所連携 | フリーはWebFAQ。ベーシックは電話・メール・チャット(電話は契約期間中10回まで) |
| やよいの青色申告 オンライン | セルフ・ベーシックは1年間無料。最大2か月の無料体験プランもある(決算・申告機能は不可) | セルフ:無料期間後 年額11,800円+税。ベーシック:同 年額22,800円+税。トータル:年額19,800円+税(次年度以降 年額39,600円+税) | 65万円控除はe-Tax申告、または優良な電子帳簿の要件を満たした電子帳簿保存が必要 | 2,500以上の金融機関と連携、スマホでレシート撮影、税理士へのデータ共有 | セルフはWebFAQ。ベーシックは電話・メール・チャット。トータルは仕訳・確定申告の相談まで |
| マネーフォワード クラウド確定申告 | 1か月のトライアル(カード登録なし。自動で有料に移行しない) | ミニ:年払い900円/月(10,800円/年)、月払い1,280円/月。パーソナル:年払い1,280円/月(15,360円/年)、月払い1,680円/月。パーソナルプラス:年払いのみ2,980円/月(35,760円/年) | 青色・白色に対応。電子申告(e-Tax)で青色なら最大65万円控除 | 銀行・カードなど2,300以上と連携。アプリで電子申告まで完結。レシート撮影は月15件・30件・100件まで無料(プランで異なる) | ミニ・パーソナルはメール/チャット。パーソナルプラスは電話(操作方法のみ) |
| freee会計(個人事業主向け) | 30日間の無料お試し(カード登録不要) | スターター:年払い980円/月(年額11,760円)、月払い1,780円/月。スタンダード:年払い1,980円/月(年額23,760円)、月払い2,980円/月。プレミアム:年払いのみ3,316円/月(年額39,800円) | 質問に答えて申告書を作成し、電子申告で提出できる | 1,000以上の口座・サービスから明細を取得。スマホアプリあり | チャット・メール。電話はプレミアム |
freeeには、年払いのみの「入力おまかせ」(年額49,800円)という入力・仕訳作業の代行プランもあります。
マネーフォワードは、2026年12月に料金体系の一部改定を予定していると公式に書いています。表の料金は2026年10月時点のものです。
ソフトごとの長所と注意点
公式の記載の範囲で、向く人と注意点を整理します。
やよいの白色申告・青色申告 オンライン
向く人:白色申告を無料で始めたい人、青色申告を1年間無料で試したい人です。白色は、機能が全プラン共通で、サポートの厚みだけでプランが分かれます。
青色は、2027年分から改正される青色申告特別控除75万円の要件のうち「優良な電子帳簿」に対応していると公式に記載があります。控除の適用にはe-Taxでの申告も必要です。
注意点:初年度優待の利用には、口座振替かクレジットカードの登録が必要です。無料期間後は自動更新になり、契約終了月の前月末日までにキャンセルしないと、有料の料金が発生します。電話サポートは契約期間中10回までです。
マネーフォワード クラウド確定申告
向く人:まず1か月、カード登録なしで試したい人です。アプリで電子申告まで終えたい人にも向きます。公式には、青色申告をe-Taxで行えば最大65万円の特別控除を受けられるとあります。
注意点:消費税申告は、パーソナルミニでは使えません。消費税の申告が必要なら、パーソナル以上が候補です。電話サポートは操作方法のみで、仕訳や税務の相談は対象外です。料金体系は2026年12月に一部改定の予定です。
freee会計(個人事業主向け)
向く人:質問に答えながら申告書を作りたい人、30日間カード登録なしで試したい人です。スマホアプリで請求書作成まで行いたい人にも合います。
注意点:電話サポートがあるのはプレミアムです。消費税申告はスタンダード以上に含まれます。青色申告のe-Tax提出については、この記事では公式ページから具体的な条件を確認できていません。申し込み前に公式で確認してください。
状況別の選び方
公式の記載から言える範囲で、状況ごとの考え方を整理します。
白色で始めて費用をかけたくない やよいの白色申告 オンラインのフリープランが「ずっと無料」と公式に書かれています。サポートはWebFAQのみです。公式でも、操作に慣れてから青色申告を検討するよう案内されています。
青色65万円控除を受けたい やよいの青色申告 オンラインとマネーフォワードは、公式ページに65万円控除の条件が書かれています。どちらも電子申告にはマイナンバーカードとスマートフォンが必要です。freeeは、青色申告のe-Tax提出を公式で確認してください。
まず無料で試したい 無料の形は3つに分かれます。
- やよい:白色はずっと無料、青色は1年間無料
- マネーフォワード:1か月のトライアル
- freee:30日間の無料お試し
マネーフォワードとfreeeはカード登録が要りません。やよいは、初年度優待の利用にカード等の登録が必要です。
スマホで完結したい 3社ともスマホアプリがあります。マネーフォワードは、アプリで電子申告まで完結できると公式にあります。申告に使うスマートフォンは、マイナンバーカードの読み取りに対応している必要があります。
銀行やカード連携を重視する 連携先の数は、やよい2,500以上、マネーフォワード2,300以上、freee1,000以上と公式に書かれています。数の大小より、自分が使う銀行とカードが対応しているかが大事です。無料期間中に、実際の口座で確認してください。
税理士に渡す予定がある やよいの青色申告は、顧問税理士にリアルタイムで会計データを共有できると公式にあります。他の2社は、その機能の有無を公式で確認してください。
どのソフトも、申し込む前に公式ページで次の点を確認してから選んでください。
- 無料の範囲と期間
- 自動更新の有無と解約方法
- 自分に必要な機能(青色の電子申告、消費税申告など)
プランと料金は、やよいの青色申告 オンラインの公式ページでプランを見るやマネーフォワード クラウド確定申告の公式ページでプランを見るから確認できます。freee会計も、公式ページで同じ点を確かめてください。
選ぶ前の注意
ソフトを決める前に、次の3点を押さえておくと手戻りが減ります。
- 青色申告承認申請書は別の手続きです。 ソフトを契約しただけでは、青色申告にはなりません。書き方は青色申告承認申請書の書き方で解説しています。
- 電子申告にはマイナンバーカードとスマートフォンが要ります。 弥生もマネーフォワードも、公式に注記があります。マネーフォワードのアプリでは、カードの読み込みに対応したスマートフォンが必要です。
- 料金は変わります。 この記事の料金は2026年10月17日時点です。特にマネーフォワードは、2026年12月の改定が予定されています。
申告全体の流れは、個人事業主の確定申告の流れにまとめています。ソフトを選ぶ前に、一度目を通しておくと全体像がつかめます。
迷ったときは、無料期間のうちに実際の取引を1か月分だけ入力してみてください。連携できる口座と、使う機能が含まれるプランかを、自分のデータで確かめられます。