結論:月額880円から法人登記に使える住所を用意できる
バーチャルオフィス1は、運営会社である株式会社ナレッジソサエティが提供する住所貸しサービスです。基本プランの月額料金は880円(税込、年間契約の場合)で、この基本プランに「法人登記可能」というサービス内容が含まれています。
申込みから利用開始までは、公式サイトの案内で「土日、祝祭日、お盆、年末年始を除いた最短翌営業日」とされています。ここから先は、申込みの流れ、費用の内訳、郵便物の仕組み、契約前に確認しておきたい点の順に、公式サイトに書かれている範囲で整理します。
バーチャルオフィス1で何ができるか(公式の範囲)
バーチャルオフィス1の基本プランには、「法人登記可能」「月4回の郵便物転送」「郵便物店舗受取(営業時間内)」「代理サイン対応(無料)」「LINE通知」「DM破棄オプション」「法人口座開設保証®」「来客応対システム」が含まれると公式サイトに記載されています。
拠点は渋谷店(東京都渋谷区道玄坂)、神保町店(東京都千代田区神田神保町)、広島店(広島県広島市中区大手町)の3店舗に加えて、提携店舗として三重県名張市の拠点があります。いずれの住所も、契約したプランに応じて登記や郵便物の受け取り先として利用する形になります。
「法人口座開設保証®」は、バーチャルオフィス1が基本プランに含めているサービスです。内容としては、法人口座開設マニュアルの進呈、提出書類の事前チェック、利用証明書の発行、キャッシュカード等の代理受け取り(無料)が挙げられています。口座開設そのものは金融機関側の審査によって決まるため、このサービスは開設に向けた準備を助けるものとして理解しておくのが実務的です。
本人確認については、「eKYC(electronic Know Your Customer、電子本人確認)の導入で、犯罪収益移転防止法に準拠したオンライン申込を実施」と説明されています。犯罪収益移転防止法は、なりすましやマネーロンダリングを防ぐための法律で、バーチャルオフィスのような住所貸しサービスでは本人確認が厳しく求められる分野です。
基本プランに含まれる「LINE通知」は、郵便物が届いたことをLINEで知らせてもらえる仕組みとして案内されています。「来客応対システム」は店舗を訪ねてきた人への対応にかかわるサービス、「DM破棄オプション」は不要なダイレクトメールを転送せずに処分してもらえる仕組みとして紹介されており、確認したい郵便物だけに絞って受け取りたい場合に活用できます。
申込みから利用開始・法人登記までの流れ
公式サイトの「お申し込みの流れ」ページでは、契約までの手順が次の4段階で説明されています。個人事業主として契約する場合も、これから法人を設立する場合も、基本の申込み手順は共通です。
- 申込フォームへの入力、および必要書類のアップロード
- 入力内容と必要書類をもとにした審査(結果は最短即日で連絡)
- クレジットカードの登録(登録したカードに初期費用が請求される)
- 初期費用の決済が確認できた時点で契約成立
必要書類として挙げられているのは、住民票(発行から3か月以内)、個人名義の印鑑登録証明書(発行から3か月以内)、顔写真付き身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード、在留カードなど)、事業概要説明書類、クレジットカードの5点です。事業概要説明書類は、これから始める事業の内容を説明する資料と考えられますが、様式についての詳細は公式サイトのこの範囲では確認できませんでした。
これから法人を設立する人向けには、よくある質問のページに次の流れが案内されています。まず個人として申し込み、審査(最短翌営業日に連絡)を経てクレジットカードで初回決済をすませ、個人として契約を成立させます。そのうえで、提供された住所を使って法務局に法人設立の登記を申請する、という順番です。つまり、住所の契約が先、法人登記の申請が後になる点は、スケジュールを組むうえで押さえておく必要があります。
利用開始のタイミングについては、「土日、祝祭日、お盆、年末年始を除いた最短翌営業日で利用開始可能」という記載があります。別のページ(特定商取引法に基づく表記)では、「必要書類の審査通過して入金してから即日〜2営業日」という表現もあり、案件や混雑状況によって幅が出ることがうかがえます。利用開始と同時に、郵便物の転送も利用できるようになります。
申込みの詳しい手順や店舗ごとの最新情報は、バーチャルオフィス1の公式サイトを見るから確認できます。
費用の内訳の考え方
費用を考えるときは、「基本料金」「初期費用」「郵便物にかかる実費」の3つに分けて把握すると整理しやすくなります。公式サイトに金額が明記されている範囲を表にまとめました。
| 項目 | 金額(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 基本料金(年間契約・月額換算) | 880円 | 年一括払い |
| 入会金 | 5,500円 | 初年度のみ |
| 初年度合計(年間契約) | 16,060円 | 入会金5,500円+基本料金10,560円(880円×12か月) |
| 次年度以降(年間契約) | 10,560円 | 更新料は不要 |
| 基本料金(単月払い) | 3,960円 | 月ごとの支払い |
単月払いと年間契約は、支払いのタイミングが異なります。単月払いは月3,960円を毎月支払う形で、単純計算では年間47,520円になります。年間契約は初年度に入会金を含めて16,060円、次年度以降は10,560円をまとめて支払う形です。まとまった金額を先払いできるかどうかで、向いている支払い方法が変わってきます。
このほか、事業内容や利用スタイルに応じて選べるオプションとして、時間外郵便受取ポスト(月額2,640円、年払い)、スポット転送(550円+発送費用)、郵便物開封スキャン(月額880円、2件目以降は1件440円)、高速転送&追跡オプション(月額880円+郵送費用)、ワークスペース(月額8,800円)、定款保管(月額880円)、会議室(渋谷店は1時間1,100円)が公式サイトに掲載されています。
さらに、バーチャルオフィス1と連携しているサービスを経由して申し込んだ場合の「基本料金割引制度」もあります。対象になるのは年払いの基本料金のみで、単月契約は対象外、申込みは2年目の契約更新の半年前までに完了している必要があると案内されています。割引の内容は連携先のサービスによって異なり、条件を満たす限り基本料金が無料になるものと、1年分だけ無料になるものがあるとされています。オプション費用や郵便転送費用、会議室利用料金はこの割引の対象に含まれません。
郵便物の受け取り・転送の仕組み
基本プランには、月4回(週1回)の郵便物転送が含まれます。公式サイトのよくある質問では、「原則毎週木曜日締め金曜日発送」というスケジュールが案内されています。転送方法は通常の普通郵便で、オプションを使えばレターパックや宅配便など、より早く届く方法に変更することもできます。
転送にかかる実費は重さによって段階的に決まっています。50g以下は150円、100g以下は250円、150g以下は350円、250g以下は450円、500g以下は600円で、500gを超える荷物は宅急便での発送になります。基本料金には含まれない、荷物ごとにかかる費用として見込んでおく必要があります。
転送を待たずに、店舗へ直接受け取りに行くことも可能です。受け取れる時間は平日の11時〜16時で、来館する際は事前にメールで来館日時を連絡し、顔写真付きの身分証明書を提示することが求められています。すぐに荷物を受け取りたい場合のスポット転送(550円+発送費用)や、営業時間外でも受け取れる時間外郵便受取ポスト(月額2,640円、年払い。渋谷店は24時間、神保町店は土日祝を除く8時〜21時)といった選択肢もあります。
届いた郵便物にどう対応するかで悩ましいのが、開封の要否です。開封してスキャンしてほしい場合は、郵便物開封スキャンのオプション(月額880円、2件目以降440円/件)で対応できます。サインが必要な配達物については、追加料金なしで代理サイン対応が行われる、と説明されています。
郵便物の受け取り方は一つに決めなくても構いません。普段は週1回の転送をそのまま使い、急ぎのものだけスポット転送で早めに受け取り、内容を確認してから対応を決めたいものは開封スキャンで中身を見る、という組み合わせ方もできます。自分の事業に届く郵便物の量や重要度を想定しておくと、余計なオプション費用をかけずに済みます。
申込み前に確認しておくこと
契約前に押さえておきたいのは、必要書類、審査、支払い方法、解約時の扱いの4点です。まず必要書類は前述のとおり、住民票や印鑑登録証明書など、発行から3か月以内という期限つきの書類が含まれます。取得に時間がかかる書類もあるため、申込みを決めたら早めに準備しておくと手続きがスムーズです。
審査については、「犯罪収益移転防止法に基づいて、厳格な審査を行うことが求められています」と公式サイトのメリット・デメリットのページで説明されています。また、入会が制限される業種として、アダルト、ギャンブル、ネットワークビジネス、情報商材販売、出会い系サイト、ナイトワーク、麻薬、探偵業などが挙げられています。自分の事業がこれらに該当しないか、申込み前に確認しておく必要があります。
支払い方法はクレジットカード決済のみで、「カードブランドロゴがついているデビットカード及びプリペイドカードもご利用いただけます」とされています。現金振込や銀行引き落としには対応していない、という点も申込み前の確認事項です。
解約や返金については、特定商取引法に基づく表記に「1年前払いコースの場合、途中解約によるサービス開始後の返金は出来かねます」という記載があります。年間契約で先に1年分を支払う形を選ぶ場合、契約後に事業計画が変わっても、支払い済みの基本料金は戻らないという前提で申し込む必要があります。なお、最低契約期間そのものの年数や、解約時の具体的な届出方法・期限については、確認できる公式ページの範囲では明記が見当たりませんでした。契約前に問い合わせで確認しておくと安心です。
契約する主体についても整理しておきたい点です。よくある質問のページで案内されている新規法人設立の流れでは、最初に個人として申し込み、審査と決済を経て契約を成立させたあとに、法務局で法人設立の登記を行う順番になっています。すでに個人事業主として活動している人がそのまま法人化を目指す場合も、この順番に沿って準備を進めることになります。
法人登記・口座開設で気をつけること
バーチャルオフィスの住所で法人登記をすること自体は、バーチャルオフィス1の基本プランに含まれるサービスです。ただし、登記のあとに控えている法人口座の開設や、許認可が必要な事業では、住所の種類によって扱いが変わる場合があることに注意が必要です。
公式サイトのメリット・デメリットのページでは、「税理士、弁護士、司法書士、行政書士、古物商」といった特定業種で、バーチャルオフィスの住所のみでは開業できないケースがあると説明されています。これから始める事業がこうした許認可を必要とするものであれば、申込み前に、その許認可の窓口(たとえば警察署や自治体の担当課)に、バーチャルオフィスの住所で申請できるかどうかを個別に確認しておく方が安全です。
法人口座の開設についても、「一部の銀行では融資が難しくなるケースがあります」という記載があります。バーチャルオフィス1の法人口座開設保証®は、マニュアルの提供や書類の事前チェックといった準備面のサポートですが、口座開設や融資の可否そのものを決めるのは、あくまで各金融機関の審査です。この点は、公式サイトの説明からも読み取れる限界として理解しておく必要があります。
もう一つ意識しておきたいのが、「他の利用者と住所がかぶってしまう点」です。バーチャルオフィスは複数の契約者が同じ住所を利用する仕組みのため、取引先や金融機関から住所について説明を求められる場面が出てくることもあります。契約後に交付される資料(利用証明書など)を保管しておき、必要なときに事業の実態を説明できるようにしておくと、こうした場面にも対応しやすくなります。
まとめ
バーチャルオフィス1は、月額880円(税込、年間契約時)から法人登記に対応した住所を用意できるサービスです。申込みから利用開始までは最短翌営業日、郵便物は月4回の転送が基本料金に含まれ、追加の受け取り方法は実費のオプションで選べます。
費用を考えるときは、基本料金・入会金・郵便物の実費を分けて把握し、必要書類は早めに準備しておくと手続きが滞りません。許認可が必要な事業や法人口座の開設については、バーチャルオフィス1のサポート内容を理解したうえで、関係する窓口や金融機関にも早い段階で相談しておくことが、手戻りの少ない開業準備につながります。