結論:Booking.com の領収書は、宿泊施設に頼む
Booking.com は、宿泊の領収書・請求書を出しません。出すのは泊まった宿泊施設です。Booking.com が決済を代行した予約でも、この点は変わりません。
Booking.com 自身が宿泊施設向けのヘルプで、そう説明しています。このヘルプは施設向けに書かれたものですが、ゲスト側が領収書を誰に頼めばよいかを知るうえで、最も直接的な公式の説明です。
この記事では、次の内容を順に説明します。
- なぜ Booking.com ではなく宿泊施設なのか
- 支払いのタイミングと、領収書を頼む相手の整理
- 領収書の頼み方と、宛名(会社名)の伝え方
- 受け取った領収書で確かめる項目のチェックリスト
- インボイス(T番号)と、海外の宿泊の消費税の見方
- うまくいかないときの相談先
内容は2026年10月24日に確認した公式ページに基づきます。Booking.com のアプリや予約サイトの画面操作は、公式で確認できた範囲に限り、細かい手順は書きません。
なぜ Booking.com ではなく宿泊施設が領収書を出すのか
理由は、予約の仕組みにあります。Booking.com は宿泊施設向けのヘルプで、各予約は宿泊施設とゲストとの間に交わされる法的な契約だと説明しています。そのため、ゲストに請求書を発行する責任は Booking.com ではなく宿泊施設にある、という整理です。
支払いの処理担当者は問われません。同じヘルプには、Booking.com ペイメントによって Booking.com が決済を代行する場合でも、宿泊施設にゲストへ請求書を発行する責任がある、と書かれています。
現地の法的要件に従い、支払い時にゲストに対する請求書を発行する必要があるとも説明されています。これには、Booking.com ペイメントで支払われた予約を含め、すべての予約が該当するとされています。
ヘルプの FAQ にも、次の趣旨の記載があります。
- Booking.com はゲストに請求書を発行しているか:いいえ
- 宿泊施設には、ゲストの支払い時に請求書を書面かメール、またはその両方で発行する責任がある
- Booking.com が、予約に関する請求書を宿泊施設にもゲストにも送ることはない
つまり、Booking.com のサイトやメールを探しても、領収書は見つからない前提で動くのが近道です。領収書の出し手は宿泊施設、と覚えておきましょう。
誰がカードに課金するかで変わること:予約確認書で支払い先を確かめる
領収書を頼む相手は宿泊施設ですが、その前に「この予約は、誰が、いつ課金するのか」を確かめておくと、頼むタイミングが分かります。Booking.com のカスタマーサービスのページには、ゲスト向けの FAQ があります。
- 通常は、宿泊施設がゲストのカードへ課金する
- Booking.com が決済を代行する場合は、予約確認書にその旨が明記されている
- 通常の支払いは、チェックイン時またはチェックアウト時に宿泊施設で行う
- 宿泊施設の支払いポリシーによっては、宿泊料金の一部または全額が前払いで課金されることがある。この場合も、予約確認書と支払いポリシーに明記されている
- 前払いポリシーがない場合、予約保証のために宿泊施設がカードの事前認証(仮請求)を行うことがある。これは一定額を一時的に確保するもので、実際に料金が請求されることはない
これを、領収書の観点で表にまとめます。
| 支払いのタイミング | 誰が課金するか | 領収書を頼む相手 |
|---|---|---|
| チェックイン時・チェックアウト時の支払い | 通常は宿泊施設 | 宿泊施設 |
| 前払い(一部または全額) | 予約確認書と支払いポリシーに明記 | 宿泊施設 |
| Booking.com が決済を代行する場合 | 予約確認書に明記 | 宿泊施設 |
| 事前認証(仮請求) | 実際の請求ではない | 対象外(請求が確定した支払いについて頼む) |
どの行でも、領収書を頼む相手は宿泊施設です。確認の行動としては、予約確認書の支払いに関する記載を見て、課金のタイミングを把握しておく、の一点で足ります。
カード明細に事前認証の表示が出ても、実際の請求ではないと公式に説明されています。領収書を頼むのは、支払いが確定してからです。
領収書の頼み方:宿泊施設に連絡する
Booking.com のカスタマーサービスのページには、「宿泊施設に連絡」という案内があり、「ご滞在に関する詳細は、宿泊施設にお問い合わせいただくのが最適です」と書かれています。領収書もご滞在に関することなので、まず宿泊施設に連絡するのが筋です。
頼み方は、状況別に次のように考えられます。
- 宿泊中に頼む:支払いがチェックイン時かチェックアウト時に宿泊施設で行われるのが通常なので、その支払いのときに、領収書をお願いして宛名を伝える
- 前払いの予約で、後から頼む:予約をした後で宿泊施設に連絡を取り、領収書の発行を依頼する
ここで書いた「支払いのときに頼む」は、公式の支払いの説明(チェックイン時またはチェックアウト時)から導いた進め方です。公式が「フロントで頼むように」と指示しているわけではありません。
また、予約後に宿泊施設へ連絡する画面の細かい操作手順は、公式の情報で確認できませんでした。予約確認書に載っている宿泊施設の連絡先や、Booking.com 上の案内で確かめてください。
頼むときは、次の内容を一度に伝えると、やり直しが減ります。
- 予約者の名前と、宿泊日
- 領収書の宛名(個人名か、会社名か)
- 必要な書類の種類(領収書か請求書か)
- 受け取り方(書面かメールか)
宛名は誰の名前になる?会社名にしたいとき
宛名については、Booking.com が宿泊施設向けのヘルプで、次のようにお願いしていると説明しています。
- 請求書の宛名は、ゲストの名前にして発行してほしい
- ゲストと合意があった場合は、他の名前で発行してほしい
つまり、何も伝えなければゲスト(予約者)の名前が宛名になるのが基本です。会社名で領収書が必要なときは、他の名前にあたるので、ゲストと宿泊施設の合意が前提になります。
これは「会社名で出す義務が宿泊施設にある」という意味ではありません。会社名にしたいなら、前もって宿泊施設に伝え、了解を得ておきましょう。
宿泊施設が会社名の宛名に応じるかどうかは、公式の情報では確認できません。個別の対応は、宿泊施設に直接聞いてください。
受け取ったら確かめる項目のチェックリスト
Booking.com は宿泊施設向けのヘルプで、ゲストに対する請求書に載せる項目を挙げています。受け取った書類が経理で使えるかどうかを、この項目に沿って確かめましょう。
- 宿泊施設名が載っている
- 宿泊施設の連絡先情報が載っている
- ゲストの名前(または合意した宛名)が載っている
- チェックイン日・チェックアウト日が載っている
- 客室や宿泊施設の詳細が載っている
- 請求総額が載っている
- 料金の内訳(宿泊料金・税・清掃費)が載っている
- 請求書番号が載っている
- 発行日が載っている
- 使用された支払い方法が載っている
同じヘルプは、Booking.com を販売者やブランドとして記載したり言及したりしないよう、宿泊施設に求めています。そのため、受け取った書類に「Booking.com」の名前が載っていなくても、それは異常ではありません。
書類が宿泊施設の名前で出ているか、が確認の軸です。項目が足りない場合は、その場で宿泊施設に伝えて、追記や再発行をお願いしましょう。
インボイスと消費税:国内の宿泊と海外の宿泊で見方が違う
インボイスと消費税は、泊まる場所で見方が分かれます。個別の判断は税理士・税務署へ相談してください。ここでは公式に確認できた範囲だけを整理します。
国内の宿泊:適格請求書かどうかは、宿泊施設の領収書で見る
国内の宿泊でも、領収書を出すのは宿泊施設です。したがって、適格請求書(インボイス)にあたるかどうかは、宿泊施設が出した領収書で、登録番号「T+13桁」があるかを見て確かめます。
登録番号は、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイト(https://www.invoice-kohyo.nta.go.jp/)でも調べられます。このページは、トップページへの案内にとどめます。
前の節のとおり、Booking.com の名前は宿泊施設の請求書には載りません。Booking.com 経由の予約でも、適格請求書の発行元は宿泊施設です。
領収書に登録番号がない場合に、仕入税額控除がどうなるかは、あなたの課税区分で変わります。この記事では判断せず、税理士・税務署に確認してください。
海外の宿泊:日本の消費税は課税されない
海外のホテルに泊まった場合は、国税庁のタックスアンサー No.6210(国外取引)が参考になります。
- 国外取引については、消費税は課税されない(不課税)
- 役務の提供の場合は、一定の取引についての例外はあるが、原則として、その役務の提供が行われた場所で、国内取引かどうかを判定する
宿泊は、ホテルという場所で行われるサービスの提供です。この国税庁の言葉の範囲で考えると、海外のホテルでの宿泊費には、日本の消費税はかからないと整理できます。例外の有無などの個別の判断は、税理士・税務署へ相談してください。
海外取引の消費税の別の例として、海外SaaSの消費税とインボイスも参考になります。
うまくいかないとき:宿泊施設が応じない・連絡がつかない
宿泊施設が領収書の発行に応じない、あるいは連絡がつかない場合は、Booking.com のカスタマーサービスに相談できます。カスタマーサービスのページには、次の窓口が載っています。
- カスタマーサービスにメッセージを送信:ご予約についての問い合わせを送れる
- カスタマーサービスに電話:緊急の用件がある場合は、24時間365日、国内・国際の電話番号の両方で電話できる
ただし、Booking.com が領収書そのものを出してくれるとは、公式のページには書かれていません。相談した場合に、どこまで対応してもらえるかは、公式の情報では確認できませんでした。
領収書が手に入らなかった場合に、カード明細や予約確認書が領収書の代わりになるかは、提出先のルール次第です。事前に、何があれば足りるかを聞いておくと安心です。
経費精算で困らないための関連記事
領収書を受け取ったあとの整理は、次の記事にまとめています。
- 電子データで受け取った場合の保存:領収書の電子保存(e文書)の対応
- 宿泊費が経費になるかの考え方:経費になるもの・ならないもの
- 別の宿泊サイトの例:じゃらんの領収書
じゃらんの記事では、支払い方法ごとに領収書の出し手が変わる例を整理しています。Booking.com と見比べると、予約サイトごとの違いが分かります。
次の一歩:出張費や領収書を帳簿にまとめる
領収書を集めたあとは、日付・金額・取引先を帳簿に記録する作業が残ります。出張が重なる個人事業主や小さな会社では、記録を会計ソフトで管理する方法もあります。
弥生は、会計・青色申告のクラウドソフトです。新規申込みの条件や料金は、公式サイトで確認してください。
よくある質問
Booking.com は領収書を発行してくれますか?
Booking.com は、宿泊施設向けのヘルプで、ゲストに対する請求書は発行しないと説明しています。発行する責任があるのは宿泊施設で、決済を代行した予約でも同じです。
宛名は会社名にできますか?
宛名は、ゲストの名前が基本です。ゲストと合意があれば他の名前で発行するよう、Booking.com は宿泊施設にお願いしています。会社名にしたいときは、前もって宿泊施設に伝えてください。
インボイスの登録番号はどこで確かめますか?
国内の宿泊では、宿泊施設の領収書に載る「T+13桁」の登録番号を見ます。国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトでも調べられます。
海外のホテル代に日本の消費税はかかりますか?
国税庁のタックスアンサー No.6210 では、国外取引は不課税とされています。個別の判断は税理士・税務署へ相談してください。
まとめ
- Booking.com は領収書・請求書を出さない。出すのは宿泊施設で、決済を代行した予約でも同じ
- 支払いのタイミングにかかわらず、領収書を頼む相手は宿泊施設
- 宛名は基本的にゲストの名前。会社名にしたいときは、前もって宿泊施設に伝える
- 受け取ったら、宿泊施設名・日付・金額・内訳・請求書番号などの項目を確かめる
- 国内の宿泊は施設の領収書の登録番号で、海外の宿泊は国税庁 No.6210 の範囲で考える
- 宿泊施設と連絡がつかないときは、Booking.com のカスタマーサービスに相談できる