結論:法人は事業主のみでも対象。新規適用届は事実発生から5日以内に、被保険者資格取得届と一緒に出す
日本年金機構の「新規適用の手続き」(更新日2026年7月13日、2026年11月3日取得)によると、常時従業員を使用する法人事業所は、事業主のみの場合を含めて、厚生年金保険と健康保険の加入が法律で義務づけられています。個人事業所は、常時5人以上の従業員がいる場合(一部の業種を除く)が対象です。
届出は「新規適用届」で、提出時期は事実発生から5日以内、提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所です。提出方法は、電子申請、郵送、窓口持参の3つです。
新規適用届とあわせて、被保険者となる人の「被保険者資格取得届」を出します。被扶養者がいる場合は、「被扶養者(異動)届」も出します(機構の新規適用届のページ、更新日2026年7月13日)。
事業所の状況ごとの手続きは、次のとおりです。
| 事業所の状況 | 出す届出 | 添付書類の中心 |
|---|---|---|
| 法人(代表者1人でも) | 新規適用届と被保険者資格取得届 | 法人(商業)登記簿謄本 |
| 個人事業所で、常時5人以上(除外業種を除く) | 新規適用届と被保険者資格取得届 | 事業主の世帯全員の住民票 |
| 個人事業所で、5人未満または除外業種 | 任意適用申請書(従業員の半数以上の同意と、厚生労働大臣の認可が必要) | 任意適用同意書、住民票、公租公課の領収書 |
| 法人で、被保険者となる人がいない(無報酬の役員しかいない場合等) | 適用を受けられない | - |
この記事で分かることは次のとおりです。
- 対象になる事業所と、法人・個人事業所の違い
- 5日の期限と、提出先(年金事務所か事務センターか)
- 添付書類と、届書の書き方で迷いやすい点
- 被保険者資格取得届との関係と、電子申請の準備
この記事の「社会保険」は、健康保険と厚生年金保険を指します。日本年金機構の公式ページと資料を、2026年11月3日に確認した内容です。届書の様式や取り扱いは変わることがあるため、出す前に機構のページで最新の様式を確かめてください。
雇用保険・労災保険の手続きは、ハローワークと労働基準監督署の別の窓口です。雇用保険適用事業所設置届の記事で整理しています。
手続きの順番:新規適用届、資格取得届、通知書の受け取り
会社を作ったあとや、従業員を雇って加入が必要になったあとの流れは、次のとおりです。
- 対象かどうかを確認する。 法人か個人事業所か、個人事業所なら常時使用する従業員が5人以上かを確かめます。
- 届書と添付書類をそろえる。 新規適用届、被保険者資格取得届、被扶養者がいれば被扶養者(異動)届を用意します。登記簿謄本や住民票は、提出日からさかのぼって90日以内に発行されたものです。
- 事実発生から5日以内に、事務センターまたは年金事務所へ出す。 新規適用届と資格取得届を同時に出します。
- 日本年金機構から届く適用通知書を保管する。 新規適用届の処理が終わると、適用通知書が届きます。電子申請では、通知書に書かれた事業所整理記号と事業所番号を入力して、以後の届出を行います(機構の電子申請のお知らせ、更新日2026年3月27日)。
機構の「新規適用届」の詳細説明(ケース1-1)は、この届出は事実発生から5日以内に事業主が行うものだとしています。あわせて、被保険者資格取得届と同時に出すよう求めています。
期限の数え方と、遅れたとき
公式の表現は「事実発生から5日以内」です。起算日が当日か翌日かといった数え方は、今回確認した機構のページに書かれていませんでした。余裕を持って出すのが安全です。
機構は、新規適用届を「事業所が厚生年金保険および健康保険に加入すべき要件を満たした場合」に出すものと説明しています(「新規適用の手続き」)。この要件を満たしたときが「事実発生」にあたると読めます。
ただ、法人の場合に具体的に何日を指すのか(設立登記の日か、最初の報酬を支払う日かなど)は、今回確認したページに見当たりませんでした。迷うときは、管轄の年金事務所に確認してください。
機構の「新規適用の手続き」は、加入の手続きをとらずに未加入になっている事業所に、新規適用届の提出をお願いしています。
資格取得届が出ていないことが後で分かった場合は、さかのぼって資格取得届を提出し、事実が発生したときにさかのぼって保険料を払うことになります(機構の「就職したとき」のページ、更新日2026年10月6日)。
対象になる事業所:法人と個人事業所
機構の「適用事業所と被保険者」(更新日2026年10月1日)によると、厚生年金保険は事業所単位で適用されます。強制適用事業所は次のとおりです。
| 事業所 | 強制適用の条件 |
|---|---|
| 法人事業所(株式会社など) | 常時従業員(事業主のみの場合を含む)を使用していれば対象 |
| 個人事業所 | 常時5人以上の従業員がいれば対象。農林漁業、サービス業などの一部は除く |
個人事業所の除外業種について、機構の「新規適用の手続き」は、サービス業の一部(クリーニング業、飲食店、ビル清掃業等)や農業、漁業等は、5人以上でも対象にならないと書いています。
令和4年10月からは、弁護士、公認会計士、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理士、税理士、社会保険労務士、弁理士などの士業の個人事業所も、常時5人以上の従業員がいれば強制適用事業所です(機構の「適用業種(士業)の追加」のページ、更新日2021年11月18日)。
法人でも適用されないことがある
法人事業所は事業主のみでも対象ですが、適用を受けるには、被保険者となる人が要ります。機構の「新規加入に必要な書類一覧」(更新日2024年8月9日)は、法人事業所で被保険者となる人がいない場合(無報酬の役員しかいない場合等)は、適用事業所の要件を満たさず、適用を受けることができないと書いています。
役員報酬をゼロにする場合など、個別の判断が要るときは、管轄の年金事務所に相談してください。
常時5人以上の数え方(個人事業所)
機構の「適用業種(士業)の追加」のページは、従業員を、正社員、契約社員、パートタイマー、アルバイトなどの名称を問わず、1週の所定労働時間と1月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上ある人と説明しています。このページは士業の個人事業所の話の中で書かれています。
個人事業所の事業主と家族は、通常は被保険者になりません。機構の年金Q&A(更新日2021年11月18日)によると、家族は次の4つにすべて当てはまることが書類で確認できるなど、使用関係が明らかな場合に被保険者になります。
- あらかじめ定められた就業規則が、他の従業員と同様に適用されている
- 出勤簿などで、他の従業員と同様に就労時間が管理されている
- 賃金台帳などで、他の従業員と同様の計算で賃金を受けている
- 事業主の確定申告で、専従者給与として支払われていない
5人未満・除外業種は「任意適用申請」
強制適用でない事業所も、任意適用の申請で加入できます。機構の「任意適用申請の手続き」(更新日2026年10月6日)によると、申請には従業員の半数以上が適用事業所になることに同意していることが必要です。
事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けると、従業員全員が加入します。適用年月日は、認可を受けた日です。
| 項目 | 内容(機構の記載) |
|---|---|
| 届書 | 健康保険・厚生年金保険 任意適用申請書(新規適用届ではない) |
| 提出時期 | 従業員の2分の1の同意後、速やかに |
| 同時に出す書類 | 被保険者資格取得届、被扶養者(異動)届 |
| 添付書類 | 任意適用同意書、事業主世帯全員の住民票(個人番号の記載がないもの)、公租公課の領収書(原則1年分、コピー可) |
公租公課の領収書は、所得税、事業税、市町村民税、国民年金保険料、国民健康保険料のすべてです。
従業員のいない個人事業主は、この記事の手続きの対象外です。国民健康保険・国民年金との違いは、個人事業主の社会保険と国保の記事で整理しています。個人事業主が法人化するかどうかの判断は、法人化の判断の記事が参考になります。
提出先:年金事務所か、事務センターか
機構の「新規適用の手続き」によると、提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所です。提出方法によって、宛先が変わります。
| 提出方法 | 宛先 |
|---|---|
| 窓口持参 | 事業所の所在地を管轄する年金事務所 |
| 郵送 | 事業所の所在地を管轄する事務センター(年金事務所) |
| 電子申請 | 提出先欄で、事業所の所在地を管轄する年金事務所(事務センター)を選ぶ |
この対応は、機構の「適用業種(士業)の追加」のページ(更新日2021年11月18日)の記載です。実際に事業を行っている所在地が登記上の所在地と違う場合は、実際に事業を行っている所在地を管轄する事務センター(年金事務所)になります。
事務センターは、年金事務所で受け付けた届書の処理や、郵送の受付をしています。窓口相談と電話相談は受けていません。郵送した書類の問い合わせは、管轄の年金事務所にします(機構の「全国の事務センター一覧」、更新日2024年1月26日)。
郵送するときは、封筒に事務センター名と郵便番号(大口事業所個別番号)を書きます。住所は書かなくても届くと、同じページに書かれています。管轄の年金事務所は、機構の「年金事務所管轄区域」のページで調べられます。
添付書類:法人と個人事業所で違う
機構の「新規適用の手続き」の添付書類は、次のとおりです。
| 場合 | 添付書類 |
|---|---|
| 法人事業所 | 法人(商業)登記簿謄本(コピー不可) |
| 事業主が国、地方公共団体または法人である場合 | 法人番号指定通知書のコピー |
| 強制適用となる個人事業所 | 事業主の世帯全員の住民票(コピー不可・個人番号の記載がないもの) |
| 共済組合制度(短期給付)に加入する事業所 | 共済組合制度(短期組合員)の適用に伴う健保法第200条等の適用申出書(共済組合の証明を受けたもの) |
| 口座振替で保険料を納めたい場合 | 健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書 |
最後の2つは、ケース1-1の詳細説明に載っています。
次の点にも注意が書かれています。
- 登記簿謄本と住民票は、提出日からさかのぼって90日以内に発行されたものです
- 登記事項証明書は、法務局のホームページからオンラインで交付請求できます
- 法人の所在地が登記上の所在地と違う場合、個人事業所の所在地が住民票の住所と違う場合は、賃貸借契約書のコピーなど、事業所の所在地が確認できるものを別に付けます
- 法人番号指定通知書のコピーが付けられないときは、国税庁の法人番号公表サイトで確認した法人情報(名称、法人番号、所在地)の画面を印刷して付けても差し支えありません
口座振替については、「新規加入に必要な書類一覧」が、保険料口座振替納付申出書の欄に「事前に金融機関でのお手続きが必要です」と書いています。
書類一覧と、新規適用の手続きのページの違い
「新規加入に必要な書類一覧」(更新日2024年8月9日)は、個人事業所のみの書類として、代表者の公租公課の領収書(所得税、事業税、市町村民税、国民年金保険料、国民健康保険料。原則1年分、コピー可)を挙げています。
一方、「新規適用の手続き」(更新日2026年7月13日)と「新規適用届の不備事例」(更新日2026年5月22日)は、強制適用の個人事業所の添付書類を、住民票だけとしています。公租公課の領収書は、任意適用申請の添付書類として載っています。
どちらが現在の取り扱いなのかは、今回確認した公式ページでは判断できませんでした。個人事業所は、提出前に年金事務所に確認してください。
書き方:新規適用届の記入欄で迷いやすい点
様式は、機構の「事業所を設立し、健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき」のページ(更新日2026年7月13日)から、PDFまたはエクセルで入手できます。記入例のPDFも載っています。エクセルは端末の設定で印刷位置がずれることがあるので、印刷前に余白とレイアウトを確認するよう書かれています。
記入例のPDFで、番号を付けて説明されている点は次のとおりです。
| 欄 | 記入例の説明 |
|---|---|
| 事業所の名称・所在地のフリガナ | 株式会社は「カ」、特例有限会社は「ユ」、合名会社は「メ」、合資会社は「シ」と略す |
| 事業所所在地 | 原則、法人(商業)登記簿謄本または住民票のとおりに書く |
| 問合せ先の担当者名・電話番号 | 届出内容を問い合わせることがあるので書く |
| 業態区分(事業の種類) | 「事業所業態分類票」を見て書く |
| 法人番号等 | 事業主が国、地方公共団体または法人のときは、原則「1.法人番号」を選び、13桁を書く |
| 社会保険労務士 | 届書の提出を社会保険労務士に委託している場合に書く |
| 健康保険組合・厚生年金基金 | 設立している健康保険組合や、加入している厚生年金基金がある場合に書く |
| 昇給月・賞与支払予定月 | 年間の昇給月と、賞与の支払予定月を書く |
| 従業員情報 | 従業員数と、そのうち社会保険に加入する人数を書く。加入しない従業員がいる場合は、人数と勤務形態も書く |
機構の「新規適用届の不備事例」(更新日2026年5月22日)は、不備の多い点を2つ挙げています。
- 添付書類の不備。添付書類に不備があると、届書の再提出が必要になります(法人は登記簿謄本、個人事業所は世帯全員の住民票で、どちらも提出日からさかのぼって90日以内に発行された原本)
- 事業主(または代表者)氏名のフリガナの記入漏れ。記入がないと再提出になります
届書の「適用年月日」の欄は、記入例で「記入不要」とされています。様式は改訂されることがあるので、記入のときは、機構のページから入手した最新の様式と記入例を使ってください。
被保険者資格取得届との関係
新規適用届は、事業所が適用事業所になるための届出です。人ごとの加入は、被保険者資格取得届で行います。
機構の「従業員を採用したときの詳細説明(ケース2-1)」によると、資格取得届は、新たに加入すべき人が生じたときに、事実発生から5日以内に事業主が出します。提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所で、提出方法は電子申請、郵送、窓口持参です。
資格取得届の添付書類は、原則として要りません。60歳以上の人を退職後1日の間もなく再雇用した場合などは、書類が必要です。
事業主は、新たに被保険者となる人の氏名、生年月日、性別、住所、マイナンバーまたは基礎年金番号などを確認して、資格取得届に書きます。マイナンバーまたは基礎年金番号が未記入だと、届書は返戻されます(機構の「就職したとき」のページ)。
加入の対象になる人
機構の「適用事業所と被保険者」によると、適用事業所に常用的に使用される70歳未満の人は、国籍や性別、年金の受給の有無にかかわらず、厚生年金保険の被保険者になります。試用期間中でも、報酬が支払われる場合は使用関係が認められます。
70歳以上の人は、原則として健康保険のみの加入です(「就職したとき」のページ)。
被保険者とされない人も、表で示されています。主なものは次のとおりです。
| 被保険者とされない人 | 被保険者になる場合 |
|---|---|
| 日々雇い入れられる人 | 1か月を超えて引き続き使用されるようになった場合は、その日から被保険者 |
| 2か月以内の期間を定めて使用される人 | 当初の期間が2か月以内でも、それを超えて雇用されることが見込まれる場合は、契約当初から被保険者 |
| 季節的業務(4か月以内)に使用される人 | 継続して4か月を超える予定で使用される場合は、当初から被保険者 |
| 臨時的事業の事業所(6か月以内)に使用される人 | 継続して6か月を超える予定で使用される場合は、当初から被保険者 |
パート・アルバイトの場合
パートタイマーやアルバイトでも、事業所と常用的使用関係にあり、1週の所定労働時間と1月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務をしている通常の労働者の4分の3以上であれば、被保険者になります(「適用事業所と被保険者」)。
4分の3に満たなくても、「特定適用事業所」「任意特定適用事業所」「国・地方公共団体に属する事業所」では、週の所定労働時間が20時間以上で学生でなければ、被保険者になります。
機構の「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」(更新日2026年10月1日)によると、特定適用事業所は、1年のうち6月間以上、厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない)の総数が51人以上となることが見込まれる企業等です。範囲は段階的に広がり、令和9年10月から、被保険者数が36人以上の企業等で働く短時間労働者も加入対象になります。
機構は、令和8年10月以降、短時間労働者の賃金要件(月額8.8万円以上)が撤廃されると案内しています(「令和8年10月1日以降の電子申請・電子媒体申請の様式変更等について」、更新日2026年10月21日)。
従業員が数人の事業所は、被保険者の総数が51人(令和9年10月から36人)に届かないため、特定適用事業所にはあたりません。短時間労働者の条件は改正が続いているので、雇う時点の機構の案内で確かめてください。
電子申請:準備と注意点
機構の「事業所向けオンラインサービス」によると、社会保険の電子申請には3つの方法があります。
| 方法 | 機構の説明 |
|---|---|
| 市販の労務管理ソフト | すでに導入している場合。主要な届書に対応。大人数向け |
| 届書作成プログラム(無料) | 主要な届書をコストをかけずに申請したい場合。大人数向け |
| e-Gov | 特別なソフトがなくてもよい。ほぼすべての届書に対応。少人数向け |
機構は、すべての届書を電子申請したいときはe-Govを使うよう案内しています。新規適用届が届書作成プログラムの対象かどうかは、今回確認したページでは分かりませんでした。
アカウントの準備
電子申請を始めるには、GビズIDや電子証明書の取得、パソコンの設定が必要です(機構の年金Q&A、更新日2026年10月21日)。機構の「電子申請・電子送付GUIDEBOOK」(令和8年10月21日版)には、次の3つが並んでいます。
| 手段 | GUIDEBOOKの説明 |
|---|---|
| GビズID | 無料。取得時に代表者のマイナンバーカードまたは印鑑証明書で本人確認をするため、電子署名を省略できる。オンライン申請で最短即日。SMSを受け取れる携帯電話・スマートフォンが必要 |
| e-Govアカウント+電子証明書 | 電子証明書の取得費用は500円/月から。費用と有効期限は認証局により異なる |
| マイナンバーカード | 無料で取得、有効期限は5年。発行に1〜1.5か月かかる。事業主、または年金事務所にあらかじめ届け出た事業主代理人のカードが必要 |
期限が事実発生から5日以内と短いので、電子申請を使うなら、IDは早めに用意しておくと間に合わせやすくなります。GUIDEBOOKでは、GビズIDはオンライン申請で最短即日、マイナンバーカードは発行に1〜1.5か月とされています。
社長以外が申請するとき
小さな会社では、社長ではなく総務の担当者が手続きすることがあります。GUIDEBOOKによると、電子申請は、事業主または事業主代理人の名義のアカウントで行う必要があります。社会保険事務の担当者が申請するには、事前に「事業主代理人」の届出が必要です。
事業主代理人は、新規適用時に選任することもできます。選任・変更・解任したときは、事業所関係変更(訂正)届を出します(GUIDEBOOK参考2)。
社会保険労務士に届書の提出を任せる場合は、新規適用届の社会保険労務士の欄に書きます。GUIDEBOOKは、社会保険労務士の提出代行を除き、事業主または事業主代理人の名義で申請する必要があるとしています。
添付書類と、事業所整理記号・番号
機構の「添付書類の画像ファイルによる提出」(更新日2025年3月31日)によると、電子申請の添付書類は、一部を除いて、スキャンしたJPEGまたはPDFで提出できます。画像で出した添付書類の原本は、届出後2年間保管します。
画像ファイルでは出せない書類として挙げられているのは、健康保険被保険者証、高齢受給者証、任意適用の同意書などです。登記簿謄本や住民票は、この一覧には挙げられていません。
新規適用届を出してから、事業所整理記号・番号が払い出されるまでの間に、資格取得届などを電子申請するときは、特別な入力が必要です。機構の電子申請のお知らせ(更新日2026年3月27日)の単票形式(e-Govで直接入力)では、次のように入力します。
| 入力欄 | 入力する内容 |
|---|---|
| 都道府県コード | 事業所所在地の都道府県コード(数字) |
| 郡市区符号 | 00 |
| 事業所記号 | Z |
| 事業所番号 | 99999 |
都道府県コードは、機構の「都道府県コード一覧」に載っています。新規適用届の処理が終わって適用通知書が届いたら、通知書に書かれた事業所整理記号と事業所番号を入力して申請します。
手続きのあと:保険料と、次の届出
厚生年金保険の保険料は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に共通の保険料率をかけて計算し、事業主と被保険者が半分ずつ負担します。保険料率は18.3%で固定されています(機構の「厚生年金保険の保険料」、更新日2026年9月30日)。
標準報酬月額は、1等級(8万8千円)から32等級(65万円)までの32等級です。健康保険の保険料率は、今回確認した機構のページには載っていませんでした。加入する健康保険(協会けんぽまたは健康保険組合)の案内で確かめてください。
事業所の名称や所在地、事業主が変わったときも、届出が必要です。機構の「適用事業所に関すること」のページ一覧に、それぞれの手続きが載っています。
会社を設立した直後は、税務署・自治体への届出もあります。全体は、法人設立後にやることの手続き一覧で整理しています。
よくある質問とまとめ
新規適用届と任意適用申請の違いは何ですか
新規適用届は、法律で加入が義務づけられている事業所が出す届出で、期限は事実発生から5日以内です。任意適用申請は、義務のない事業所が加入するための申請で、従業員の半数以上の同意と、厚生労働大臣の認可が必要です。
任意適用の適用年月日は、認可を受けた日です。
従業員には何を用意してもらえばよいですか
機構の新規適用届のページは、新規適用届とあわせて、被保険者となる人の資格取得届を提出するよう書いています。マイナンバーまたは基礎年金番号は、本人に確認してください。
従業員の準備として、機構は、基礎年金番号通知書(年金手帳)またはマイナンバーカードを、事業主に提示するよう案内しています(提示のみ)。
まとめ
社会保険の新規適用届は、法人事業所なら事業主のみでも対象で、事実発生から5日以内に事務センターまたは管轄の年金事務所へ出します。被保険者資格取得届と同時に出し、被扶養者がいれば被扶養者(異動)届も出します。
添付書類は、法人は登記簿謄本、強制適用の個人事業所は事業主世帯全員の住民票で、どちらも90日以内に発行されたものです。個人事業所は常時5人以上が対象で、5人未満や除外業種は、任意適用申請になります。
判断が難しい点は、管轄の年金事務所に相談してください。税務や労務の個別の判断は、税理士・社会保険労務士などの専門家にも確認できます。