GVA法人登記は、役員変更・本店移転・商号変更・目的変更などの「変更登記」に必要な書類を、画面の質問に答えるだけで作れるオンラインサービスです。書類作成費は登記の種類ごとに5,000円〜(税別、2026年10月時点・公式サイト)で、株式会社の本店移転なら12,000円です。登録免許税(収入印紙代)は別に納付します。
司法書士に頼まず自分で変更登記をしたいが、書類の作り方が分からない、という会社の代表者に向いています。一方で、公開会社や監査等委員会設置会社などは対象外で、登記の要否や内容の相談には乗ってもらえません。自社が対象かどうかは「GVA法人登記でできないこと」で確認してください。
登記ごとの期限・登録免許税・必要書類は、役員の重任登記、代表取締役の住所変更登記、本店移転登記を自分でする方法で、法務局と国税庁の案内にもとづいて整理しています。
この記事では、料金表、対応している登記、使い方の流れ、総額の目安、向いている人・向いていない人を、公式サイトと法務局・国税庁の情報にもとづいて整理します。利用者の口コミや評価は載せず、公式の仕様から分かるメリットと注意点を書きます。
GVA法人登記とは|自分で変更登記をするための書類作成サービス
GVA法人登記は、GVA TECH株式会社が提供する「変更登記申請オンライン支援サービス」です。株式会社・合同会社・有限会社・一般社団法人が、登記事項の変更に必要な書類を、ご自身で作成して申請するのを支援します。
公式サイトで案内されている特徴は次のとおりです。
- アカウント作成は無料で、必要なのはメールアドレスだけ
- 現在の登記情報を無料で取得でき、書類作成に自動で反映できる
- 申請書のほか、株主総会議事録など申請に必要な書類をまとめて作成できる
- 登録免許税に使う収入印紙も、オプションで一緒に購入できる
- 法務局に行かず、郵送で申請できるオプションがある
司法書士に依頼するのではなく、自分で申請する人のための道具、という位置づけです。書類を作るところまでを手伝うサービスなので、「何を登記すべきか」「この内容で登記できるか」といった判断は、利用者側で行います。
GVA法人登記でできること|対応している登記の種類
公式サイトで案内されている対応登記は、法人の種類ごとに次のとおりです(2026年10月時点)。複数の登記を組み合わせて同時に作成することもできます。
| 法人の種類 | 対応している登記 |
|---|---|
| 株式会社 | 本店移転(管轄内・管轄外)、役員変更(新任・辞任・重任・退任・死亡)、役員の氏名・住所変更、募集株式の発行(増資)、剰余金等の資本組入れ、商号変更、目的変更、株式分割、支店の設置・移転・廃止、ストックオプション |
| 合同会社 | 本店移転(管轄内・管轄外)、持分譲渡(社員の変更)、出資・資本金の増加、代表社員等の変更・氏名変更・住所変更、商号変更、目的変更、支店の設置・移転・廃止、株式会社への組織変更 |
| 有限会社 | 本店移転、役員変更(新任・辞任・死亡)、役員の氏名・住所変更、商号変更、目的変更 |
| 一般社団法人 | 主たる事務所の移転、役員変更(新任・辞任・重任・退任)、役員の氏名・住所変更 |
役員変更の対象は、株式会社と有限会社では取締役・代表取締役・監査役、一般社団法人では理事・代表理事・監事です。
株式会社の代表取締役については、2024年10月に始まった「代表取締役等住所非表示措置」の申出にも対応しています。本店移転(管轄外)、役員変更(新任・重任)、代表取締役の住所変更と合わせて作成でき、非表示にする代表取締役1名につき15,000円(税別)が書類作成費に加算されます。
なお、公式サイトには「対応登記は順次追加予定」とあります。2026年には合同会社の支店登記や、合同会社から株式会社への組織変更が追加されたとお知らせされています。掲載の一覧は申込前に公式サイトで確認してください。
GVA法人登記でできないこと|対応外の会社と注意点
公式サイトのよくある質問では、次の会社は対応外とされています。
- 株式会社:公開会社、種類株式発行会社、単元株式数を設定している会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社、休眠会社、登記簿が閉鎖されている会社
- 合同会社:休眠会社、登記簿が閉鎖されている会社、代表社員である法人に職務執行者が複数いる場合
- 有限会社:種類株式発行会社、休眠会社、登記簿が閉鎖されている会社
- 一般社団法人:社員の議決権を1個以外の数と定めている場合、休眠一般法人、登記簿が閉鎖されている法人
株式会社・合同会社・有限会社・一般社団法人以外の法人(NPO法人や医療法人など)にも対応していません。
そのほか、次の点にも注意が必要です。
- 複数の登記を同時に作る場合、効力発生日が大きく離れているときや、役員に欠員が出るときなど、対応できないケースがあると案内されています
- 電話サポートは、操作方法・料金・対応手続き・書類の提出先などの案内が中心です。登記の要否、書類の内容や書き方へのアドバイス、法的義務の有無の判断はできないと明記されています(ヘルプセンター)
- 電話の受付は平日14:00〜18:00、書類購入後の問い合わせはメールです
登記の内容そのものに迷う場合や、定款や株主構成が複雑な場合は、司法書士や管轄法務局の相談窓口に確認するのが安全です。
GVA法人登記の料金表(2026年10月時点・公式サイト)
料金は「書類作成費」と「オプション費用」の2段階です。オプションを付けず、書類作成だけで使うこともできます。公式サイトの料金表示はすべて税別です。決済はクレジットカードのみで、書類をダウンロード購入した時点で引き落とされます。
書類作成費(1件あたり・税別)
| 登記の種類 | 株式会社 | 合同会社 | 有限会社 | 一般社団法人 |
|---|---|---|---|---|
| 本店(主たる事務所)移転 | 12,000円 | 12,000円 | 12,000円 | 12,000円 |
| 目的変更 | 12,000円 | 12,000円 | 12,000円 | - |
| 商号変更 | 12,000円 | 12,000円 | 12,000円 | - |
| 支店の設置・移転・廃止 | 12,000円 | 12,000円 | - | - |
| 役員変更 | 15,000円 | 12,000円(代表社員等の変更) | 15,000円 | 12,000円 |
| 役員(代表社員等)の氏名・住所変更 | 7,500円 | 7,500円 | 7,500円 | 7,500円 |
| 募集株式の発行/出資・資本金の増加 | 20,000円 | 15,000円 | - | - |
| 株式分割、剰余金等の資本組入れ | 15,000円 | - | - | - |
| ストックオプション | 5,000円 | - | - | - |
| 株式会社への組織変更 | - | 64,800円 | - | - |
公式サイトの説明では、書類作成費は登記の類型により5,000円〜64,800円です。
オプション費用(税別)
| オプション | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| かんたん郵送パック | 8,980円 | 書類を印刷・製本し、管轄法務局の宛名入りレターパックと一緒に届ける。押印箇所は付箋で案内。収入印紙も同時に購入でき、受領証の交付に必要な書類も同封 |
| 登記簿謄本郵送オプション | 6,980円 | 登記の反映確認を代行し、最新の登記情報PDFと、履歴事項全部証明書(登記簿謄本)2通を法務局から直接届ける |
| まるごとおまかせプラン | 12,000円 | 上の2つのセット(単品で買うより3,960円お得) |
複数の登記を同時に作る場合、書類作成費は登記ごとに加算されますが、オプションの料金は1回分のみです。収入印紙をGVA法人登記でセット購入すると課税取引となり、収入印紙に消費税がかかります(公式サイトの注記)。
購入例(本店移転・書類作成費のみ)
公式サイトが挙げている、本店移転の例です。
| 購入内容 | 料金(税別) |
|---|---|
| 本店移転書類のみ | 12,000円 |
| 本店移転書類+かんたん郵送パック | 20,980円 |
| 本店移転書類+まるごとおまかせプラン | 24,000円 |
どの場合も、登録免許税は別に納付が必要です。
登録免許税は別に必要|総額の目安
ここが見落とされやすい点です。GVA法人登記の料金は書類作成の費用で、法務局に納める登録免許税は含まれていません。
登録免許税の金額は法令で決まっており、国税庁の税額表(令和8年4月1日現在)には、次のように載っています。
- 本店または支店の移転の登記:1か所につき3万円
- 支店の設置の登記:1か所につき6万円
- 取締役・代表取締役・監査役等に関する事項の変更の登記:1件につき3万円(資本金の額が1億円以下の会社は1万円)
- 登記事項の変更の登記(商号・目的の変更など):1件につき3万円
GVA法人登記の公式サイトでも、同じ区分に1つにまとめて申請すれば1回分、別の区分なら区分ごとの納付、と説明されています。たとえば商号変更と目的変更を同時に申請する場合は3万円、本店移転と商号変更を同時に申請する場合は6万円です。本店移転で管轄外に移す場合は6万円(3万円の収入印紙が2枚)と案内されています。
これを踏まえた総額の目安は次のとおりです(筆者の計算。書類のみ購入・収入印紙は郵便局や法務局で購入する場合、税別)。
| 例 | 書類作成費 | 登録免許税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 株式会社の本店移転(管轄内) | 12,000円 | 30,000円 | 42,000円 |
| 株式会社の役員変更(重任・資本金1億円以下) | 15,000円 | 10,000円 | 25,000円 |
| 株式会社の商号変更と目的変更を同時 | 24,000円 | 30,000円 | 54,000円 |
登録免許税は、司法書士に頼んでも自分で申請しても同じようにかかります。専門家に依頼する場合は、ここに報酬が上乗せされます。登記の種類と資本金を選んで自分の場合の金額を確かめたいときは、変更登記の費用計算ツールが使えます。
使い方|書類作成から申請までの流れ
公式サイトの案内では、おおむね次の流れです。
- 無料アカウントを作る:メールアドレスだけで登録でき、スマートフォンからも可能です
- 会社の形態と登記の種類を選ぶ:株式会社・合同会社・有限会社・一般社団法人から選び、本店移転や役員変更など、行う登記を選びます。複数同時に行う場合は、他の登記も追加します
- 現在の登記情報を登録する:「登記情報自動反映サービス」を使うと、会社名や住所などが自動で入ります。手入力もできますが、現在の登記情報や株主・社員の情報に誤りがあると、返金保証の対象外になります
- 変更内容を入力する:本店移転なら、移転先の住所と移転日などを画面の指示どおりに入れます。公式サイトでは、最短7分で書類を作成できるとされています
- 購入書類を確認し、オプションを選ぶ:かんたん郵送パックなどを付けるか決め、クレジットカードで決済します
- 書類をダウンロードして最終確認する:購入後にPDFをダウンロードできます
- 押印・印紙の貼付・提出:書類のみの場合は、印刷・製本・押印・印紙の貼付・郵送を自分で行います。かんたん郵送パックなら、付箋で案内された箇所に押印し、印紙を貼って(印紙付きで届く場合もあります)、同封のレターパックで投函します
申請後の流れと所要期間
登記の事由が発生する前に申請はできません。法務局の案内には、7月1日の時点で「8月14日本店移転」の登記申請をすることはできない、という例が載っています。
申請後の期間について、公式サイトの表記には幅があります。手順のページには「法務局に反映されるまで約1週間」とあり、登記簿謄本郵送オプションの説明には「申請から4週間程度で完了し、そこから2〜3営業日を目安に謄本が届く」とあります。実際の完了日は法務局の混み具合や補正の有無で変わるため、申請先の法務局が公表している「登記完了予定日」で確認してください。
登記が完了するまでの間、その会社の登記事項証明書や印鑑証明書は原則として発行されません。口座開設や契約で証明書が必要な場合は、その日程も考えて動いてください。
登記の期限と過料
変更登記には期限があります。法務局の案内では、会社・法人の登記には法令で登記すべき期間が定められており、例として株式会社の役員変更登記は、登記の事由が発生した時から本店の所在地で2週間以内にしなければならないとされています。
この期間を過ぎてから申請しても、そのことだけで申請が却下されることはありません。ただし、会社の代表者に対して、裁判所から100万円以下の過料に処される可能性があります。
役員の変更や本店移転は、決まってから登記までの間にやることが多く、後回しになりがちです。期限が迫っているときに、書類作成の手間を減らす手段のひとつとして、このようなサービスがあります。
向いている人・向いていない人
向いている人
- 役員変更・本店移転・商号変更・目的変更など、対応している登記を1〜2件行いたい株式会社・合同会社の代表者
- 司法書士に依頼する前に、費用感を確かめたい人
- 平日の昼間に法務局へ行く時間がなく、郵送で完結させたい人(かんたん郵送パックを使う前提)
- 登記情報を入れれば書類が自動で作られる仕組みで、書き方の調査を省きたい人
- 登記の内容そのものは固まっていて、書類の作成と体裁だけが課題の人
向いていない人
- 公開会社、種類株式発行会社、監査等委員会設置会社などで、公式の対応外にあたる会社
- 何を登記すべきか、この変更でよいかを相談しながら進めたい人。電話サポートでは登記の要否や書き方の助言ができません
- 複雑な組織再編や、複数の登記を日付をずらして行うような案件
- 設立登記や解散登記など、公式の対応登記に載っていない手続きを行いたい人
- 書類の確認・押印・印紙の貼付といった作業を一切したくない人。書類は作ってもらえますが、押印と提出は自分で行います
「評判」を調べている方は、このように、公式の仕様から分かる得手不得手で判断するのが確実です。自分で申請する前提のサービスなので、手間を減らせる反面、最後の責任は自分で持つことになります。
司法書士に頼む場合・自分で全部やる場合との比較
公式サイトでは、3つの方法を次のように比較しています(2026年10月時点)。
| 自分で調べて申請 | 司法書士に依頼 | GVA法人登記を利用 | |
|---|---|---|---|
| 費用 | 0円(場合により諸経費) | 平均47,666円(本店移転・関東地区の例) | 12,000円+オプション料金 |
| 主な作業 | 手続きや書類の調査、書類作成、管轄の確認、申請 | 司法書士の選定、見積り、打ち合わせ | 内容の確認、Webサービスでの書類作成、申請 |
| 所要時間の目安 | 数日〜1週間以上 | 専門家により数日 | 書類作成は最短7分、郵送申請は最短10分 |
司法書士の費用は、公式サイトが日本司法書士会連合会の2018年1月のアンケート結果を引いたものです。7年以上前の数字で、依頼先や案件によって報酬は大きく変わります。比較のためのひとつの目安として見てください。上記の費用のほか、登録免許税は3つの方法とも別に必要です。
選び方の目安は次のとおりです。
- 内容が定型的で、書類作成の手間を減らしたい:GVA法人登記
- 内容に不安がある、会社の状況が複雑:司法書士に依頼
- 費用を最小にしたい、書類の調べ物も苦にならない:法務局の様式を使って自分で作成
法務局のサイトには、主な商業・法人登記の申請書様式が公開されています。ただし、添付書類(議事録など)の作り方まで自分で調べる必要があります。
返金保証の範囲と利用規約で確認したいこと
公式サイトでは、GVA法人登記で作成した書類について、法務局から訂正の指摘があった場合や登記が受理されなかった場合に、決済日から30日以内の連絡で利用料金を全額返金するとされています。次の場合は対象外です。
- 公開会社や監査等委員会設置会社など、前述の対応外の会社
- 現在の登記情報が正確に入力されていない場合
- 現在の株主情報や社員情報が正確に入力されていない場合
返金の対象は利用料金と案内されています。申込み前に、利用規約と返金保証の注意事項を一度読んでおくと安心です。
まとめ|自分で変更登記をする人の選択肢
GVA法人登記は、対応する登記が定型的な会社が、書類作成の手間を減らしながら自分で変更登記を済ませるためのサービスです。書類作成費は12,000円〜(税別)で、登録免許税は別途かかります。法務局に行かずに申請したい場合は、かんたん郵送パックやまるごとおまかせプランを足す形になります。
申込みの前に、次の3点を確認してください。
- 自社が対応外の会社(公開会社・監査等委員会設置会社など)に当たらないか
- 行いたい登記が、公式の対応登記に載っているか
- 書類作成費に登録免許税を足した総額が、予算に収まるか
アカウント作成と現在の登記情報の取得は無料です。まずはGVA法人登記の公式サイトで対応登記と料金を確認するところから始めてみてください。
関連して、設立登記から手続きの流れを知りたい方は会社設立の手順とオンライン登記の流れ、設立後の届出は法人設立後にやることの手続き一覧、設立にかかる費用は会社設立の費用の内訳を参照してください。本店をバーチャルオフィスに移す場合は、バーチャルオフィスで法人登記する手順と注意点も確認しておくと、契約前後の手順を間違えずに済みます。